1904年創業の金沢にある老舗古美術商。登録有形文化財に指定された店舗の改装がきっかけで制作された立礼卓。紅殻格子(べんがらごうし)の窓を持つ伝統的金沢町屋の再生は第38回金沢都市美文化賞受賞を受けており、古典と現代の出会う店座敷の真ん中におかれた立礼卓は、茶の湯だけでなく、商談の席も兼ねる。
制作年:2014年、発注者:株式会社石黒商店、監修:木村宗慎、設計:村川美紀建築設計事務所、製作:山海木工、撮影:市川靖史
現代的な宗教施設で使用するためにデザインされた立礼卓。風炉と向切など異なる点前が出来る様に、茶席本来の規矩寸法をもとにデザイン。木の片身替と、丸と四角をモチーフにした。炭、もしくは電気どちらの使用も可能になっている。丸炉の意匠にワンポイントで加えた金物は京釜師・三代吉羽與兵衛氏の作。
制作年:2012年、監修:木村宗慎、設計:村川美紀建築設計事務所、製作:株式会社ウィズ、撮影:平井広行
京和傘の技術を用いてつくられた組立式の茶室「傘庵」。静岡で開催された世界お茶まつり2010に際して制作。野点傘に想を得た空間は、一本の竹から生み出されたもの。和傘そのままに折りたたんで運ぶことが出来る。京畳二畳を内包する、和紙と竹で出来た空間は、古典と現代が交わる非日常の場となる。2011年にJCDプロダクトオブザイヤーグランプリ、JCDデザインアワード金賞・審査員賞を受賞したほか、英国のCompton & Verney美術館での『A TEA JOURNEY from mountain to table』展など海外でも展示された。
制作年:2010年、茶室しつらい・監修:木村宗慎、設計:矢嶋一裕建築設計、施工:日吉屋 西堀耕太郎、協賛:大久保文之(畳ネットオオクボ)、撮影:繁田諭(ナカサ&パートナーズ)
静岡県で開催された「世界お茶まつり2007」に際してデザインされた茶室「浮庵」。茶室とは非日常の空間であること、その現代における可能性をしめした特異な空間は、まさに仮設の極み。隈研吾氏の作品としてその後、世界中を旅することになる。静岡での初お目見えの際、茶室としてのしつらえにつき協力させていただいた。
制作年:2007年、設計:隈研吾